会長拝命にあたってのご挨拶
白樫 了(東京大学)
第47期の会長を拝命いたしました,東京大学 白樫 了です.微力ながら1年間,務めさせていただきますので,どうぞ宜しくお願い申し上げます.ご挨拶の前に,これまで,第44から46期の副会長(事務局)を務めさせていただいたことから,この場をお借りして,この間に大変お世話になりました3名の会長,44期堀部明彦先生,45期山田雅彦先生,46期桃木悟先生,理事の皆様方,並びに事務局を実質的に運営していただいた松浦弘明先生に,心より厚く御礼申し上げます.
さて,本学会は,昨年の総会でご案内させていただきましたように,今期の総会において法人の定款についてお諮りします.その承認をもって,一般社団法人「日本熱物性学会」を,翌年早々に登記することになります.これまで理事会・役員会では,法人化にあたって,会員の皆様が著しい変化を感じない,また,学会運営において不測の事態が起きないことに注力して参りました.今後の法人化作業の詳しいスケージュールや学会運営の変化については,昨年度の総会において,将来構想担当理事の山田雅彦元会長よりご説明がありましたが,法人化を実感していただくために,最も大きな変化となる総会の位置づけに限定して,ご説明させて頂きたいと思います.
国で定める法人の規定上,現状の総会に相当する社員総会(以後,総会)の役割がより重要になるため,次の2点の変化は避けられません.
- 1) 総会が最終決議の場になるので,総会の出席者数を一定数以上確保する必要があること.
- 2) 総会は事業年度終了後から3カ月以内に開催する必要があること.
これらを勘案して,3月末頃にオンラインと対面のハイブリッドによる総会を開催することを,昨年の総会の場でご提案させていただきました.ハイブリッドによる総会に際しては,出席されない会員の方からは,委任状をいただく必要がでてくると思われますが,電子媒体等を利用したお手間を取らせない方法で出欠・委任の御返事をいただく方式を模索しています.また,熱物性シンポジウムの会期中に開催されていた現在のような総会については,その改廃を決める必要があります.これらの変化については,ひとえに会員の皆様のご意見,ご理解とご協力を,お願い申し上げる次第です.
話は変わりますが,工学では物性は技術の変化によらず,モノづくりの設計に不可欠な普遍性が高い重要な概念であることを恩師よりお聞きしたことを思い出し,それほど重要であれば「何とか」物性学会という名前が他にも沢山あるのかと思い,安直にGoogleのAIに「物性と名の付く学会を教えて」もらいました.案に相違して,日本では日本熱物性学会のほかには日本素材物性学会しか表示されませんでした.試みに英語で聞いてみたところ,”In the field of materials science, the term "properties" is a core area of study, but it typically appears as a subject area rather than directly in the society's official name.”との回答でした.日本でも学会の中に設置されている研究会等に「物性」を冠している組織は多くあるようです.重要な概念(core area of study)ではあるものの,あくまでも「特定分野で使うもの」というのが,大多数の(AIが世の中にある大量のデータから読み取った)「物性」の位置づけのようです.本学会は,熱や温度が関わる物性であれば,使われる分野を問わず受け入れることを標榜している学会です.今後は,いろいろな分野の「物性」を冠している研究会とのつながりを作る活動も必要になるのではないかと感じております.
